サラリーマンは長期で投資を行え
働き方改革が叫ばれている昨今、それでも大抵の社会人は時間がありません。平日は毎日残業。休日は子育てや自分の趣味や睡眠で忙しく、そんな中で短期で株の売買を行ったらどうなるのでしょうか。
毎朝ニュースを読み海外情勢や雇用統計などの指数をチェック、会社の昼休みを利用して株の売買。その日の値動きが気になりつつ仕事を続け、3時の相場が終わる時間になると再びトイレやタバコ部屋に行きその日の終値をチェック、夜はニューヨークダウの値動きを確認しつつ明日に備える。と、平日はたちまち心にゆとりがなくなってしまうでしょう。
財布のゆとりの方はどうでしょうか?日々売買を繰り返す相手は、パソコンディスプレイを2段構え、縦方向に2台ずつ、横方向に3台ずつの計6台を並べ各種指標を読み取るデイトレーダー、あるいはディープラーニングされ株のチャートから売買タイミングを判断するAI、あらゆる情報網を駆使して値上がり材料を先読みするファンド。
そのような相手に対してスマホやパソコンでポチポチして、少額の勝ち負けに一喜一憂している社会人は絶好のカモに映ります。また手数料も安くはありません、最安の証券会社を使い10万円ほどの株を100円の手数料で売買していたとして、一週間に1回買いと売りを行うとします。
一週間に200円かかるので年間50週とすると50倍の一万円の手数料が掛かります。平均的に年間10パーセントも株は上がらないので、上手く売買できたとしても中々勝ち越すことはできないでしょう。よって心だけではなく、財布にもゆとりがなくなり、その結果更に心のゆとりがなくなるというデフレスパイラルな状態に入っていってしまいます。典型的な負けパターンと言えます。
それゆえ一日の株価の変動に気を取られすぎずに常に余裕をもって投資を行い、競争相手を避け、手数料を安く抑えるために長期投資を行う事が社会人にとっては重要な事です。
長期はどれくらいという質問が来そうですが、目安としては余程経営難に陥いり、将来のキャッシュを生み出しそうにないと判断するまでは売らない、買うときは最低でも1年間は株を持ち続ける事が重要です。
長期投資でどれくらいのリターンを目指すか?
サラリーマンが5年で元手100万円から初めて3億円を達成した、テクニカル投資で一年で資金を10倍にという主旨の本が販売されていますが、これらは投資というよりは投機、即ちギャンブルに近いものがあり、相場を読む力のあるもの、あるいは単純に運が良かったものが短期投資を行い結果を出したというものです。
株の本にはデイトレード向けの超短期、2-3ヶ月で売買を繰り返すスウィングトレード、長期投資の大まかに分けて3つの投資スタンスがあります。
デイトレードやスウィングトレードは大幅な利益を見込む事ができる一方でライバルも協力で、運に左右されることも多くなります。
では長期投資で目指すべきはどれぐらいの水準でしょうか?株価指標として株価収益率というものがあり、これは何年で今の株価に相当するだけの純利益(税金等を払い終わり最後に残ったお金)を稼ぐことができるかという値です。時期にもよりますが、日経225の平均PERは14-16程度です。即ち約15年すると今の株価に相当するだけの純利益を稼ぐ事ができます。やや理論が飛躍しますが15年で元手を回収できると考えると1年あたりの利回りは100/15で6.7%です。そこに税金が2割掛かるため6.7 * (1 - 0.2) = 5.36で、大体年利5%、上を目指して6%程度が最低確保したい水準です。
5%がどの程度かといいますと、1000万円を元手に運用したとして、10年後には1630万円になる計算です。ところで2000年の日経平均が約2万円で、2017年6月も2万円程度であり、日本株を持ち続けていても利益が出ないのではないかと思うかもしれませんが、そんな事はありません。
この間も配当がきちんと支払われているため損はしていない、またバブル時代日本の株価は期待先行で異常に高かったが近年の水準は割高という事もないです。
よって年間5%は十分に目指せる水準で、本サイトではその上で株主優待や、良い株を買うためのポイント、経営指標の見方やを学びそれ以上の成果を売買に納得感を持ったうえで目指します。また、株の直接売買を基本とはしますが、投資信託やFX、ETFなど他の選択肢も時には有効なため紹介していこうと思います。